茶碗について
茶の湯の世界では、一・井戸、二・楽、三・唐津などといって唐津茶碗を珍重する風があるようです。
茶碗は、茶を点てる前と後とでその表情がすっかり変わります。茶碗を手にすると、「唐津茶碗の魅力」や「茶碗の良さは使ってみて始めてわかる」といわれる所以を実感することができるでしょう。
写真は、井戸茶碗写し.
最新作
茶碗作品集
柴の戸に茶を木の葉掻く嵐かな ばせお
松尾芭蕉は、青雲の志を持って江戸に下り、ついに延宝8年(1680年)冬、37歳の時、念願の俳諧師匠として立机(俳諧、連歌の世界で宗匠と認められ、その文台を与えられること。)したものの、この 文芸の世界も金と名誉欲の渦巻く俗世界そのもののであった。絶望した芭蕉は、9年の江戸市中の生活を捨ててここ深川の草庵(後に芭蕉を植えて芭蕉庵となる)に隠棲してしまった。その時の、世間に対する決別の辞がこの一文。この時点ではまだ「芭蕉」を名乗っていないため「ばせお」としている。
俗塵を廃してここ草庵に隠棲してみれば、茶を入れてくれようとてか、一塵の嵐が焚き付けにと木の葉を運んできてくれることよ。